朝日日本歴史人物事典 「長沼宗敬」の解説
長沼宗敬
生年:寛永12.5.28(1635.7.12)
江戸中期の兵学者。長沼流兵学の流祖。松本藩(長野県)藩士の子。通称は伝十郎,三左衛門のち外記。澹斎と号す。松本藩主松平直政の転封により松江,明石と移るが,承応1(1652)年美濃加納藩(岐阜市)に仕える。若年より甲州流をはじめ日本兵法の諸流を学び,中国明代の兵学書『武備志』や『紀効新書』を愛読した。のち美濃加納藩を辞し,江戸に出て寛文6(1666)年ごろ『兵要録』を著して世に問うた。これによって練兵を主体とする長沼流兵学の地位を確立し,多くの門弟を育てた。なかでも佐枝尹重と宮川忍斎が傑出,この2系は幕末まで栄えた。
(所荘吉)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報