播磨(読み)はりま

精選版 日本国語大辞典 「播磨」の意味・読み・例文・類語

はりま【播磨】

山陽道八か国の一つ。大化改新後に、針間・針間鴨・明石の三か国が一国となる。国府国分寺はともに飾磨(しかま)郡(姫路市)に置かれた。鎌倉時代は梶原景時・小山朝政らが守護。南北朝時代以降は主に赤松氏支配下にあったが、天正八年(一五八〇)以降は羽柴秀吉、木下家定らが封じられた。関ケ原の戦い後池田輝政の所領となり、のち明石、赤穂などの諸藩天領に分割された。明治四年(一八七一)の廃藩置県後は姫路県となり、さらに飾磨県と改称され、同九年兵庫県に合併された。播州(ばんしゅう)

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デジタル大辞泉 「播磨」の意味・読み・例文・類語

はりま【播磨】

旧国名の一。山陽道に属し、現在の兵庫県の西南部。播州ばんしゅう

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日本歴史地名大系 「播磨」の解説

播磨
はりまなだ

瀬戸内海の東部に位置し、兵庫県播磨平野の南沖合に広がる播磨灘海域は、兵庫・岡山・香川・徳島の四県の沿岸に及ぶ。東西約七〇キロ、南北約六五キロで、北は播磨平野、東は兵庫県淡路島、南は香川県と徳島県、西は香川県小豆しようど島に囲まれ、主要な島嶼部は兵庫県側の家島いえしま諸島のみである。ただし近世後期の「日本最初峯淡路国先山千光寺観世音境内ヨリ近国遠見図」には、香川県の沿岸域については讃岐灘、兵庫県(旧播磨国)沿岸については播磨灘と表記されていることから、本来播磨灘の名称も、今日の兵庫県沿岸の海域一帯をさす名称であったとみられる。瀬戸内海の広い海域を占める周防灘伊予灘ひうち灘などでは沿岸平野が未発達であるが、播磨灘の場合には北側に播磨平野が発達している。第四紀の地殻変動に伴う陥没によって形成された播磨灘は、陸上からの堆積物のために最大水深は四二メートルと全般的には浅いものの、二万―一万八〇〇〇年前のビュルム氷期末期の寒冷期には海水面の低下に伴い陸地化し、本州と四国は結ばれていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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