ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブラウエル」の意味・わかりやすい解説
ブラウエル
Brouwer, Hendrick
[没]1643.8.7. チリ
オランダの平戸商館長,のち東インド総督。 1606年ジャワ島に渡り,バンダ,マカッサル,バンタンの各地に勤務,12年8月平戸商館に来着,駿府におもむき徳川家康に国書を呈して通商許可を謝し,その返書と朱印状を受けて平戸に戻ると,J.スペックスに代って商館長となって 14年まで在勤した。帰国して東インド会社理事として対イギリス折衝にあたったが,32~36年再度東インドにあって総督をつとめ,帰国するとさらに西インド総督となり,スペイン軍と戦って戦死。
ブラウエル
Brouwer, Adriaen
[没]1638.1. アントウェルペン
フランドルの画家。 1621年頃ハールレムに行き,F.ハルスに師事し,その後放縦な生活をおくったといわれる。アントウェルペンでは政治犯として獄舎につながれたが,33年9月に釈放され,以後は同地に定住。作品の大部分は日常生活を描写した風俗画で,小品が多い。主要作品は『酒盛りする百姓たち』 (アムステルダム国立美術館) ,『トランプ遊び』 (アントウェルペン王立美術館) 。
ブラウエル
Brouwer, Luitzen Egbertus Jan
[没]1966.12.2. ブラリクム
オランダの数学者。数学における直観主義の創始者。 1904年までアムステルダム大学で数学を学び,12年同大学教授となる。位相数学と数学基礎論に業績がある。前者では不動点定理を証明し,後者では数学的証明において排中律の無制限の使用を禁ずる立場に立ち,数学理論の再構成を行なった。
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