長目の浜(読み)ナガメノハマ

デジタル大辞泉 「長目の浜」の意味・読み・例文・類語

ながめ‐の‐はま【長目の浜】

鹿児島県、こしき島列島の上甑島北部にある砂州。長さ約4キロメートル、幅50メートルの浜。砂礫されきが波によって水面上に現れた地形で、なまこ池(海水)の北端から貝池汽水)を間にはさみ、東端のかざき池(淡水)の三つの池を海岸が隔てている。この三つの池はそれぞれ性質の異なった生態系を示し、特に貝池には世界でも数か所にしか見られない原始的なバクテリアが生息し、学術的に貴重な場所となっている。島内を代表する景勝地で、19代薩摩さつま藩主島津久光があまりの美しさに「眺めの浜」と呼んだことから名付けられた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

事典 日本の地域遺産 「長目の浜」の解説

長目の浜

(鹿児島県薩摩川内市上甑町)
美しき日本―いちどは訪れたい日本の観光遺産指定の地域遺産。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報

世界大百科事典(旧版)内の長目の浜の言及

【上甑[村]】より

…複雑なリアス海岸線をなし,わずかな平地に集落が形成されている。北部の海鼠(なまこ)池や貝池は,かつての小湾入が浜堤の発達によりせき止められた潟湖で,約3kmの浜堤は長目ノ浜と呼ばれる。周辺は甑島県立自然公園を代表する景勝地。…

【甑島列島】より

…全島山がちでほとんど平地がなく,海岸線は西部および南部では海から切り立った急崖をなし,また他では複雑な凸凹に富んだリアス式海岸となり,風光がよい。上甑島北部には長目ノ浜という延長4kmの砂州があり,その内側には須口池,鍬崎池,貝池,海鼠(なまこ)池などの湖が並んでいるが,これらは海岸の入江が沿岸流で運ばれた土砂で入口をふさがれたもので,このため湖面の高さが海面の高さ,すなわち潮の干満と一致するという珍しい湖である。平地が少ないため集落が分散しており,下甑村では一つの集落から隣の集落に行くには必ず峠を越えなければならない。…

※「長目の浜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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