朝日日本歴史人物事典 「長谷川宗右衛門」の解説
長谷川宗右衛門
生年:享和3.12.14(1804.1.26)
幕末の高松藩(香川県)藩士。父は松崎裕民。高松の松平家は水戸徳川家から分かれた家だが,前水戸藩主徳川斉昭の政治姿勢には批判的だった。そのような藩中にあって斉昭に賛同,安政4(1857)年屏居を命ぜられる。翌年脱藩して京から水戸へ赴くが,追われて自首,江戸伝馬町の獄に送られる。「玉となりて砕くるとも,瓦となりて全かるなかれ」と独語していたとは,同獄の吉田松陰の証言。翌6年高松の獄に移され,文久2(1862)年放免。明治3(1870)年病を重くし,生前に皇居を拝そうと渡海を試みるが,船中に没した。
(井上勲)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報