20世紀日本人名事典 「長谷部文雄」の解説
長谷部 文雄
ハセベ フミオ
昭和期の経済学者 元・龍谷大学教授;元・経済理論学会幹事。
- 生年
- 明治30(1897)年6月29日
- 没年
- 昭和54(1979)年6月13日
- 出生地
- 愛媛県今治市
- 学歴〔年〕
- 京都帝大経済学部〔大正12年〕卒
- 経歴
- 京大で河上肇の教えを受けマルクス主義者となった。大正13年同志社大学教授となり、「資本論」初版の首章と付録の原文対訳などに務めたが、昭和8年治安維持法違反で退職。26年立命館大学講師、42年龍谷大学教授となった。この間、「資本論」の翻訳に専念、12年に第1部2冊を出版したが、弾圧のため中断。25年に全3巻を完訳した。精確な翻訳が読者をふやし、21年10月出版の第1分冊初版(日本評論社版)3万部は10日間で売り切れたという。その後も訳文を改善、平易化して3種の改訳版を刊行、マルクス経済学の普及に大きく貢献した。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報