最新 地学事典 「閉鎖温度」の解説
へいさおんど
閉鎖温度
closure temperature
試料の冷却過程で鉱物中の放射起源核種の散逸が止まり鉱物中に保持されるようになる(閉鎖系になる)温度のこと。閉鎖温度以下で鉱物が放射年代を記録し始める。年代測定法や鉱物の種類により閉鎖温度は異なり,また冷却速度が速いほど閉鎖温度は高くなる。閉鎖温度の見積もりは地質学的手法(変成温度や閉鎖温度が既知の鉱物の年代から得られる冷却曲線との比較)や反応速度論的方法(段階加熱実験結果の地質時間への外挿)などによる。例えばU-Pb法ではジルコンが約900℃,K-Ar法では黒雲母が約300℃,角閃石が約500℃である。FT法では核分裂飛跡が鉱物中に保持される温度であり,ジルコンが約240℃,りん灰石が約100℃である。
執筆者:柴田 賢・大平 寛人
参照項目:冷却史
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

