日本大百科全書(ニッポニカ) 「間着」の意味・わかりやすい解説
間着
あいぎ
重ねた衣服の間に着る衣服の意で、江戸時代には武家の女性が打掛(うちかけ)の下に着用した小袖(こそで)のことをいう。布地は正式には綸子(りんず)、色は黄、白、赤の無地、これを間黄、間白、間赤といった。間黄は正月7日、間白は3月3日から30日まで、間赤は10月から12月の間に用いたといわれる。これは正式の場合であって、普通の場合には、絞りや刺しゅうで模様を表したものも用いられた。また身分によって縮緬(ちりめん)、紗綾(さや)などが用いられた。間着の下には、一般に白羽二重(しろはぶたえ)の下着を重ねて着用する。今日では間着は掛下(かけした)とよばれ、打掛とともに花嫁衣装に用いられているだけである。
ほかに、季節と季節との間、すなわち春と夏との間(5月)、夏と秋との間(9月)に着る衣服を合着(あいぎ)といい、合服と同義に使うことが多い。
[藤本やす]