阿別当村(読み)あべつとうむら

日本歴史地名大系 「阿別当村」の解説

阿別当村
あべつとうむら

[現在地名]利賀村阿別当

大勘場だいかんば村の北、利賀川両岸に位置し、左岸垣内(枝村)向阿別当むかいあべつとうとよぶ(三州志)。東は山地、西は山の神やまのかみ峠に至る。同峠は標高九〇二メートル、高草嶺たかそうれい(現平村)から当村へ通じる村境の峠。この道は庄川筋の利賀谷組の村々を結び、利賀谷から城端じようはな町へ物資を運ぶ交易路でもあった。冬季遭難の危険の多い峠道で、峠の大杉雪道の目印になっていた。昭和四〇年(一九六五)旧道から離れて自動車道が開通し、峠はトンネルでくぐり抜ける。

天文二一年(一五五二)一〇月二七日の五箇山衆連署申定(生田家文書)の「利賀谷」のうちに「あへつとう了願」の名がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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