阿波山上神社(読み)あわさんじようじんじや

日本歴史地名大系 「阿波山上神社」の解説

阿波山上神社
あわさんじようじんじや

[現在地名]桂村阿波山 宮原

杉木立の中にある。祭神は少彦名命。旧郷社。通称は阿波山上あわやまかみ神社で、佐加利子さがりこ明神ともいう。

大宝元年(七〇一)一〇月の創建といい、「三代実録」の仁和二年(八八六)一二月九日の条に「授常陸国従五位下阿波神従五位上」とあり、「延喜式」神名帳の那賀郡七座のうちに「阿波山アハヤマノ ウヘ神社」とみえる。「新編常陸国誌」に「土俗伝ヘ言ラク、昔此地ニ神アリ、童子ノ形ニシテ、手ニ粟穂ヲ持チ、杉樹ノ上ニ降リ玉フ、故に降木さがりこ明神ト云フ、本殿ノ坤方ニ降木山、降木原ナドアリ、是当国ニ粟ヲ生ゼシ処ナリトテ、里俗尤モ粟ヲ重ンジ、其茎幹ト雖、之ヲ墻屋ニ葺覆スルコトヲ禁ゼシム(中略)此神大己貴命ト共ニ、天下ヲ巡リ作リ玉フ時ニ、此常陸ノ国ニモ幸行テ、粟ヲ殖ルコトヲ民ドモニ教ヘ玉ヒケムヲ、土俗ニハ童子ノ姿ニテ粟穂ヲ持テ杉樹ニ降リ玉フナド語リ伝ヘシモノト見エタリ」と記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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