隈崎郷(読み)くまさきごう

日本歴史地名大系 「隈崎郷」の解説

隈崎郷
くまさきごう

阿蘇谷の北郷中の小郷で、北坂梨きたさかなし村・野中のなか村付近と思われるが、現在地不明。熊崎とも記される。徳治二年(一三〇七)八月日の阿蘇社長寿丸供僧免田屋敷坪付注文(阿蘇家文書)では青龍しようりゆう寺の供僧坊長寿丸の免田に「一所五反 クツカタ上草計隈崎郷」とみえ、「経免」にも「一所二反 隈崎郷内貴田」とある。この「上草計」は上草の収取、すなわち年貢などの収取に限定され、領主権を有するのではなく、土地の管理権と年貢収納の義務を有することを示すとされる。当地は元徳元年(一三二九)から始まる阿蘇社の造営に際し、料木などの負担をし(元徳二年一月一四日「阿蘇社造営料木第三箇度切符写」同文書)以後も諸役を負担している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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