日本歴史地名大系 「隈江家記」の解説
隈江家記
くまえけき
一冊(一四一丁)
写本 県立図書館
解説 高鍋藩の藩主家を中心にした通史。成立年次は不明。記述は藤原純友の乱の平定に活躍した大蔵対馬守春実時代に始まり、元禄二年の藩主秋月種信の隠居で終わっている。著者は不明であるが、貞享四年以降の記録は隈江庄太夫(五郎左衛門信武)が書継いだもの。原本は弘化二年江戸上屋敷類焼のおり焼失。現存する写本には「隈江家記三」とあるので、一・二もあったと思われる。全何巻か不明。隈江家は代々筑前夜須郡を相伝していたが、天正一五年の豊臣秀吉による日向一国の知行割で秋月種長が高鍋城を与えられた際、隈江種相は種長に従って日向国に移った。種相から五代目の五郎左衛門信恒が家老となったのは元禄一六年で、正徳元年には初代福島地頭(都合)となり、福島地方支配を整備していく。享保八年家老職を辞したが、その子孫は各藩主の家老として忠勤を尽した。
活字本 「宮崎県史」史料編近世4
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報