日本歴史地名大系 「隠岐国村鑑帳」の解説
隠岐国村鑑帳
おきのくにむらかがみちよう
一冊
成立 明治元年
写本 島根県立図書館
解説 第一ページに朱印で「人数并牛馬数都テ慶応三年卯年改高御座候」と押されている。隠岐国の海士・知夫・越知・周吉四郡六一ヵ村の村勢要覧。明治元年に編集され、島根県収税課に備えられていたものを同一七年に各郡役所の記録係が借写し、隠岐島庁引揚げの際に県に移管され、のち島根県立図書館の所蔵となった。現在、この一冊のみが存在すると思われる。本書の初めには、隠岐国全体の石高・田畑面積・家数・人口・牛馬数・山林数などが載り、島後・島前からの本土への海上里程が記される。次いで六一ヵ村の各村ごとに先の隠岐国全体で記述されたのと同内容が順次記載される。各村末尾には「此村浦方海山の稼なく賑なし」「困窮の村なり」などと、村の状況が一行余りで記される。明治元年の記述でありながら、江戸期の状況を知るうえで貴重な史料とされる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報