日本大百科全書(ニッポニカ) 「知夫」の意味・わかりやすい解説
知夫(村)
ちぶ
島根県北東部、隠岐(おき)郡知夫里(ちぶり)島1島よりなる村。古くから1島1村で、隠岐諸島のなかでもっとも本土に近く、隠岐の入口にあたる。南端に天然の良港の知夫湾がある。北東部の来居港(くりいこう)と島前(どうぜん)、島後(どうご)の諸港や、本土の七類(しちるい)港(松江市美保関(みほのせき)町)、境港(鳥取県境港市)との間に定期航路がある。半農半漁の村で出稼ぎが多いが、「在村者と出稼ぎ者との強い連係」のあるのが特色とされる。また長寿者が多い。近年まで牧畑(まきはた)耕作が行われていた。いまでも、農業のほとんどが肉用牛の肥育となっている。島の南西部にある断崖は隠岐知夫赤壁(せきへき)とよばれ、国指定名勝・天然記念物。面積13.70平方キロメートル、人口634(2020)。
[江村幹雄]
『『知夫村誌』(1960・知夫村)』