精選版 日本国語大辞典 「朱印」の意味・読み・例文・類語
しゅ‐いん【朱印】
〘名〙
※俳諧・毛吹草(1638)六「紅葉葉は秋をたがへぬ朱印(シュヰン)哉〈弘永〉」
② 公文書に押す朱色の印判。奈良時代以来用いられてきたが平安時代以降は印でなく花押によって差出所・責任者を明示する文書が多くなった。しかし室町時代末期に至って戦国大名の発給する文書に印判(朱印、黒印など)を押したものが急速に増加し、信長、秀吉、また徳川幕府の将軍もこれを多用した。ふつう、歴史的に「朱印」という場合は戦国時代以降のものをさすことが多い。また、黒印は朱印に比べてその文書の内容が軽い傾向がある。

※信長公記(1598)三「其上稲葉伊予守に仰付けられ、御朱印調させ遣はされ」
③ 「しゅいんじょう(朱印状)」の略。
※多聞院日記‐天正五年(1577)五月八日「新屋郷付、去三日に円明院・蓮成院江州安土へ越候処、如二当方本意一相調、今日被レ帰了。朱印は不レ出」
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