雁皮・雁鼻(読み)がんぴ

精選版 日本国語大辞典 「雁皮・雁鼻」の意味・読み・例文・類語

がん‐ぴ【雁皮・雁鼻】

〘名〙
ジンチョウゲ科の落葉低木。中部地方以西の山地に生える。高さ約二メートル。よく分枝し、小枝および葉、特に葉の裏には絹糸状の毛がある。葉は長さ三~五センチメートルの卵形で短柄をもち互生する。五~六月、枝先に先端が四裂した小形の黄色筒状花が約二〇個、半球状に集まって咲く。樹皮からとる繊維は長さ三~五ミリメートルに達し、半透明光沢があり、丈夫で美しいので良質の紙の原料となる。主産地は岐阜県および滋賀県。同属のコガンピキガンピサクラガンピなどもガンピと呼ばれ、同様に利用される。栽培困難のため、もっぱら野生品が採集され原料とされる。かみのき。
▼がんぴの花《季・夏》 〔文明本節用集(室町中)〕
② 「がんぴし(雁皮紙)」の略。〔運歩色葉(1548)〕
言継卿記‐永祿一二年(1569)八月一一日「予に又がんぴ二帖被之」

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