集団行動(読み)しゅうだんこうどう(英語表記)group behavior

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

集団メンバーが集団の存続発展のために行う行動、およびその行動の総体をいう。このような集団行動は、集団メンバーが集団において担う地位・役割によって規定される。地位・役割のシステムは集団の存続発展に必要な要件を満たすように形成される。
 集団の存続発展に必要な要件として、まず第一に、外的環境への適応行動があげられる。すなわち、集団は環境から必要な諸資源を調達したり、外部社会に向かって集団目標についてアピールしたりする行動をしなければならない。第二に、集団は集団目標の達成をできる限り効率的に行いうるように、分業システムや管理システムを構成し、それに基づいてメンバーに課業を配分しなければならない。第三に、分業・管理システムの有効性を高め、その正当性をメンバーに認識させ、メンバーの仕事への動機づけを促進するために、目標や仕事に対するメンバーの理解を求めなければならない。メンバーが自発的に仕事をするかしないかは、メンバー自身が仕事に対してどの程度の自律的な意思決定をもっているかどうかに依存する。もちろん、仕事の物理的条件や人間関係、そしてリーダーシップのあり方も重要である。そして最後に、以上のような集団行動のあり方をメンバーに伝達する学習システムが重要となる。集団の存続発展にとって必要な集団行動は、以上の四つの行動に集約できる。[佐藤慶幸]
『末永俊郎・池内一・水原泰介編『講座社会心理学2 集団行動』(1978・東京大学出版会)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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