零梅(読み)こぼれうめ

精選版 日本国語大辞典 「零梅」の意味・読み・例文・類語

こぼれ‐うめ【零梅】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 咲き乱れた梅の花。また、その模様
    1. [初出の実例]「一ぱいにあまるか坪のこほれ梅〈友重〉」(出典:俳諧・犬子集(1633)一)
    2. 「江戸褄模様にこぼれ梅、紅白の上絵彩色銀糸にて松葉をちらしに縫せ」(出典:人情本・春色恵の花(1836)二)
  3. 味醂(みりん)のしぼりかす。
    1. [初出の実例]「イヤモけふは、しかもこぼれ梅によふたので、なをわるい」(出典:洒落本・うかれ草紙(1797)斗量の座しき)
  4. ( 咲き乱れた梅の花のように、散りやすいところから ) 客をより好みしないでたやすく売色する芸妓。見ずてん芸妓。
    1. [初出の実例]「狐は丘を枕とし唱妓は箱を枕とす、こぼれ梅(ムメ)の花は嵐にころころとこけあるくは、当世女郎(おやま)のけんびき」(出典洒落本・戯言浮世瓢箪(1797)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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