デジタル大辞泉 「味醂」の意味・読み・例文・類語
み‐りん【味×醂/味×淋】
[類語]酒・
蒸したもち米,米こうじ,焼酎をまぜ,米のデンプンをこうじの作用で糖にかえた後,しぼって得られる甘みをもった黄色の酒。焼酎を原料とした白酒をこしたものである。江戸時代には味淋酎,美淋酒,美淋酎などとも書かれた。焼酎が日本に伝えられた16世紀後半以後製造が始まり,《毛吹草》(1638)には山城の名産と記されている。《本朝食鑑》(1697)に製法の記述がみられるが,〈酒の味甘美,蜜の如きを以て珍となすのみ〉とあり,庶民の間に普及したのは文化・文政(1804-30)以降である。《守貞漫稿》によれば摂津でつくられたみりんが,京坂地方よりも江戸で調味用に使われたとある。また同書にみりんと焼酎を半々に混ぜたものを京坂で柳蔭(やなぎかげ),江戸で本直し(ほんなおし)といい,冷用酒として夏に飲まれたとある。現在のみりんは焼酎の代りにアルコールを使用した製品が多く,その成分はアルコール分13%前後,糖分37%前後である。なお,本直しはアルコール分22%前後,糖分8%前後である。おもな産地は愛知,京都,千葉,大阪で,1980年度に全国で6万5000kl生産されている。
→白酒
執筆者:菅間 誠之助
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