味醂(読み)ミリン

デジタル大辞泉 「味醂」の意味・読み・例文・類語

み‐りん【味×醂/味×淋】

焼酎しょうちゅうに蒸した糯米もちごめを混ぜ、米麹こめこうじを加えて糖化発酵させて造り、かすをしぼりとった黄色透明の酒。甘味があり、調味料・飲料として用いる。本味醂。→味醂風調味料
[類語]酒類さけるい酒類しゅるい般若湯アルコール御酒お神酒銘酒美酒原酒地酒忘憂の物醸造酒蒸留酒混成酒合成酒日本酒清酒濁酒どぶろく濁り酒生酒新酒古酒樽酒純米酒灘の生一本本醸造酒吟醸酒大吟醸冷や卸し屠蘇とそ甘露酒卵酒白酒甘酒焼酎泡盛ビール葡萄酒ワインウイスキーブランデーウオツカラムテキーラジン焼酎リキュール果実酒梅酒薬酒やくしゅ白酒しろざけ紹興酒ラオチューマオタイチューカクテルサワージントニックジンフィーズカイピリーニャマティーニ

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精選版 日本国語大辞典 「味醂」の意味・読み・例文・類語

み‐りん【味醂・味淋】

  1. 〘 名詞 〙 焼酎(しょうちゅう)と蒸した糯米とをまぜ、麹(こうじ)を加えて醸造し、かすをしぼりとった酒。甘味があり、飲用・調味用とする。味醂酒味醂酎。〔本朝食鑑(1697)〕
    1. [初出の実例]「タレ抜のスウプへみりんと醤油をおとして」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三)

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改訂新版 世界大百科事典 「味醂」の意味・わかりやすい解説

味醂 (みりん)

蒸したもち米,米こうじ,焼酎をまぜ,米のデンプンをこうじの作用で糖にかえた後,しぼって得られる甘みをもった黄色の酒。焼酎を原料とした白酒をこしたものである。江戸時代には味淋酎,美淋酒,美淋酎などとも書かれた。焼酎が日本に伝えられた16世紀後半以後製造が始まり,《毛吹草》(1638)には山城名産と記されている。《本朝食鑑》(1697)に製法の記述がみられるが,〈酒の味甘美,蜜の如きを以て珍となすのみ〉とあり,庶民の間に普及したのは文化・文政(1804-30)以降である。《守貞漫稿》によれば摂津でつくられたみりんが,京坂地方よりも江戸で調味用に使われたとある。また同書にみりんと焼酎を半々に混ぜたものを京坂で柳蔭(やなぎかげ),江戸で本直し(ほんなおし)といい,冷用酒として夏に飲まれたとある。現在のみりんは焼酎の代りにアルコールを使用した製品が多く,その成分はアルコール分13%前後,糖分37%前後である。なお,本直しはアルコール分22%前後,糖分8%前後である。おもな産地は愛知,京都,千葉,大阪で,1980年度に全国で6万5000kl生産されている。
白酒
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百科事典マイペディア 「味醂」の意味・わかりやすい解説

味醂【みりん】

焼酎(しょうちゅう)に麹(こうじ)と蒸したもち米を混合し,2ヵ月前後の放置熟成後に濾過(ろか)して作る再成酒。黄色を帯び透明で,甘く,飲料,調味料のほか白酒,屠蘇(とそ)酒などの原料にする。アルコール分15〜20%だが,さらに焼酎を加えて圧搾濾過しアルコール濃度を高めたものに(なおし)がある。
→関連項目

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日本文化いろは事典 「味醂」の解説

味醂

みりんは餅米・米麹〔こめこうじ〕・焼酎を原料として製造される酒類で、調味料として広く使用されています。甘みのある淡黄色の液体で、料理に「照 り」や「つや」を出し、隠し味として用いられています。現在、市場には「本みりん」・「みりん風調味料(※)」が流通しており、醤油味噌などと並んで日 本料理に欠かせない存在です。※みりん風調味料…酒税のかからない1%未満のアルコールに、みりんの風味に似せて化学調味料や水飴等の糖分その他を加えたもの。

出典 シナジーマーティング(株)日本文化いろは事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「味醂」の意味・わかりやすい解説

味醂
みりん

焼酎を原料としてつくる日本固有の酒の一種。焼酎を水の代りに麹と蒸し米を加えて仕込み,約1ヵ月ぐらい熟成してから,もろみを圧搾してその上澄み液を取ったもの。この熟成期間中に麹の酵素によってデンプン,蛋白質が加水分解され美味になるが,米の糖化によって甘みが強く,またデキストリンができるため著しく粘稠になる。成分は普通アルコール分 13~22%,糖分 25~28%。他の酒類 (白酒,保命酒など) の原料,また調味料として広く使われる。

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