法則の辞典 「電気泳動効果」の解説 電気泳動効果【electrophoretic effect】 デバイ‐ヒュッケルの理論によると,電解質の希薄溶液においては,各イオンはそれぞれ反対符号をもつイオンの雰囲気に囲まれていると見なせる.ある特定のイオンに着目し,これが電場中で移動することを考えると,反対電荷をもつイオンはこれと逆方向に移動しようとする.ところで電解質溶液中のイオンは溶媒和した状態にあるから,イオン雰囲気中には大量の溶媒分子があり,中心イオンとは逆方向へ移動する溶媒分子の流れが存在することになる.その結果中心イオンの移動速度は減少することになるが,これが電気泳動効果である.電荷が大きいほど,また濃度が高いほどこの効果は大きくなる 電気泳動効果【electromigration effect】 電場の中でイオンが移動する現象.この場合,対象は溶液に限られず,金属蒸気のイオン化したものの電場による移動も含まれる. 出典 朝倉書店法則の辞典について 情報