電気記念日(読み)でんききねんび

日本大百科全書(ニッポニカ) 「電気記念日」の意味・わかりやすい解説

電気記念日
でんききねんび

3月25日。日本における電気事業の発祥を記念するため、1929年(昭和4)に社団法人電気協会で制定され、翌1930年から実施されている。3月25日は、1878年(明治11)に中央電信局の開業式後に東京虎ノ門(とらのもん)の工部大学(東京大学工学部の前身講堂で開催された祝賀パーティーで、日本で初めてアーク灯点灯され、参列の人々を感嘆させた日である。同日は、伊藤博文(いとうひろぶみ)工部卿(こうぶきょう)の発議により、工部大学教授エアトンが、当時学生でのち日本電気界の指導者となった藤岡市助浅野応輔(あさのおうすけ)、中野初子(なかのはつね)らを助手としてフランス製デュポスク型のアーク灯をグローブ電池50個を用いて点灯した。

[岩田倫典 2018年9月19日]

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デジタル大辞泉プラス 「電気記念日」の解説

電気記念日

3月25日。日本電気協会が制定。1878年3月25日、東京都虎ノ門でアーク灯が点灯、日本初の電灯が点灯されたことにちなむ。

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世界大百科事典(旧版)内の電気記念日の言及

【アーク灯】より

…電気利用の最初の光源として,1808年イギリスのH.デービーによって炭素アーク灯が発明されて以来,76年ロシアのP.N.ヤブロチコフが実用化してパリの街路を照明した。日本では79年虎ノ門の工部大学校講堂における中央電信局開業式の祝宴で,イギリス人W.E.エアトンの指導のもと,藤岡市助,中野初子,浅野応輔の学生たちが,グローブ電池50個によってフランス製デュボスク式アーク灯の初点灯に成功,この日3月25日を記念して,1928年以後,電気記念日が制定された。なお,一般に出現したのは,1882年11月1日,銀座の大倉組前に2000燭(しよく)のフランスのブラッシ式炭素アーク灯が点灯されたのが最初である。…

【送電】より


[歴史]
 電気がエネルギーとして最初に実用化されたのはアーク灯であった。日本でもアーク灯がW.E.エアトンによって最初にともされた1878年3月25日を記念して,3月25日を電気記念日としている。翌79年T.A.エジソンは白熱電灯を発明すると,これに電力を供給する配電システムを考案し,この方法で82年ロンドンとニューヨークで運転が始まった。…

【電灯】より

…電灯の歴史はわずか180年弱にすぎないが,その発達は目覚ましいものがある。 電気利用の最初のあかりは,1808年,イギリスのH.デービーによる実用炭素アーク灯の発明であり,日本では78年3月25日に,工部大学校でフランス製デュボスクアーク灯の初点火があり,後年,この日を〈電気記念日〉に制定している。アーク灯は探照灯や映写,写真製版などに用いられたほかは,一般照明用として普及しなかった。…

※「電気記念日」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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