霊の真柱(読み)たまのみはしら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「霊の真柱」の意味・わかりやすい解説

霊の真柱
たまのみはしら

平田篤胤(あつたね)の著書。二巻。1813年(文化10)刊。成稿は『古道大意』の翌年であるが、篤胤独自の考えが明確に現れており、平田学の展開方向を決定した重要な著作である。篤胤は貧窮のうちに40両もの大金を投じてこれを刊行した。内容は服部中庸(はっとりなかつね)の『三大考』を下敷きとして、10個の図によって天(あめ)・地(つち)・泉(よみ)からなる世界の成り立ちを説明したものであるが、その要は真の道を知って大倭心(やまとごころ)を固めるために「霊(たま)の行方(ゆくえ)の安定(しずまり)を知る」目的から、人は死後、本居宣長(もとおりのりなが)のいうように夜見(よみ)に行くのではなく、大国主(おおくにぬし)神の支配する幽冥(ゆうめい)に行くと説くところにある。

[田原嗣郎]

『田原嗣郎他校注『日本思想大系50 平田篤胤・伴信友・大国隆正』(1973・岩波書店)』

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