霜枯(読み)しもがれ

精選版 日本国語大辞典 「霜枯」の意味・読み・例文・類語

しも‐がれ【霜枯】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 草木などが霜のためにしぼみ枯れること。しもがれること。また、その荒涼とした眺め。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「霜干(しもがれ)の冬の柳は見る人の蘰(かづら)にすべく萌えにけるかも」(出典:万葉集(8C後)一〇・一八四六)
    2. 「しもがれの前栽、絵にかけるやうにおもしろくて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若紫)
  3. 草木が霜のために枯れてしまう時節。空などのいかにも寒い感じの冬、または晩秋の頃。霜枯れ時
    1. [初出の実例]「霜がれに残りて我は八重むぐらなにはのうらのそこのみくづに」(出典:信長公記(1598)一二)
  4. 商売の景気が悪い状態にあること。客が少なく、不景気なこと。霜枯れ時。
    1. [初出の実例]「段々しもがれになるからひまになりやす」(出典:洒落本・風俗砂払伝(1780))
  5. 勢いや容色などが衰え、干からびたようになっていること。
    1. [初出の実例]「尤も霜枯の老婆芸妓(ばばあげいしゃ)もあるが」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉台湾土産)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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