ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「未臨界実験」の意味・わかりやすい解説 未臨界実験みりんかいじっけんSub-critical experiments 爆発を伴わない核実験。核爆発はプルトニウムやウランなどの核物質を連鎖的に分裂させて引き起こすが,その分裂が始まる状態を臨界といい,その直前にいたるまでの段階を実験するのが未臨界実験で,実験で得たデータはコンピュータでのシミュレーションに使われる。 1996年9月に国連総会で採択された包括的核実験禁止条約 CTBTでは,アメリカなど核大国が核爆発に相当しないと主張して対象からはずされている。 1997年7月にアメリカがネバダ州で実験を行なった際にも,備蓄されている核兵器の性能を確認するための実験であり,CTBT違反ではないと主張した。しかし,長年の実験で蓄積された膨大なデータとスーパーコンピュータの導入によって,爆発を伴わない実験であっても核開発は可能との指摘もあり,CTBTを形骸化させるとの批判を浴びている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by