青蚨(読み)セイフ

デジタル大辞泉 「青蚨」の意味・読み・例文・類語

せい‐ふ【青×蚨】

カゲロウ別名
(「青鳧」とも書く)銭のこと。
「一百―常に杖のはしに懸けたり」〈三教指帰・上〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「青蚨」の意味・読み・例文・類語

せい‐ふ【青蚨】

  1. 〘 名詞 〙 昆虫のカゲロウの異名という。また、銭の異称。蜻蚊(せいぶん)。→青鳧(せいふ)
    1. [初出の実例]「賜白粲者全稟六斗、得青蚨者不百枚」(出典:類聚三代格‐一五・元慶五年(881)一一月二五日)
    2. 「青蚨をは水虫也と釈せり」(出典:壒嚢鈔(1445‐46)六)

青蚨の補助注記

かげろうの母子の血を取ってそれぞれを銭の面に塗り、その片方を使えば、残った片方を慕って飛ぶように還ってくるという「捜神記・一三」の故事から転じて銭貨のことをいうとされる。挙例の「壒嚢鈔」には「然を銭の名とすることは、此虫能く多くの子を生む。爰以て世俗取て、此虫を塗銭、則ち其の銭多く生子と云へり。故に祝銭を青蚨と云也。又子母銭共云也」とあり、また、かげろうのように銭貨のはかないことをたとえたとする考えもある。

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