静原村(読み)しずはらむら

日本歴史地名大系 「静原村」の解説

静原村
しずはらむら

[現在地名]左京区静市しずいち静原町

市原いちはら村より静原川に沿って北東約三キロ上流の山間集落、江文えぶみ峠を隔てて西は大原薬王やくおう坂を越えて東は鞍馬くらまに至る。志津原とも記され(菟芸泥赴)洛北の幽の地として知られ、西行も、

<資料は省略されています>

と詠んでいる。また「平治物語」には「悪源太よしひらは、大原・しづはら・芹生の里・梅津かつら・ふしみのかたにひるはしのび」とみえ、「太平記」巻一五には「細川卿ノ律師定禅、(中略)北野ノうしロヨリ上賀茂ヲ経テ、ひそかニ北白河ヘゾ廻リケル。(中略)下松さがりまつ藪里やぶさと静原しづはら松崎まつがさきなか賀茂、三十余箇所ニ火ヲカケテ」とある。

平安時代以来、上賀茂別雷わけいかずち神社の神領の内にあったが、その伝統は、黒川道祐「北肉魚山行記」の「静原ノ村モ上賀茂ニ属ス、故ニ古ヨリ四月葵祭ニ葵ヲ此村ヨリ、村民隔年ニ上賀茂ヘ持参ス、葵今ハ此ノ所ニハナシ」という記事の中にうかがえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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