非国民(読み)ひこくみん

精選版 日本国語大辞典 「非国民」の意味・読み・例文・類語

ひ‐こくみん【非国民】

〘名〙 国民としての義務本分に違反する者。国民としての観念がうすい人。特に、第二次世界大戦時に、軍や国策に対して非協力的な者を非難する語として用いられた。
三太郎日記(1914‐18)〈阿部次郎〉一「此方面に於いて自由討究を試みるは国賊でも非国民でもない」

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デジタル大辞泉 「非国民」の意味・読み・例文・類語

ひ‐こくみん【非国民】

国民としての本分・義務に反する行為をする者。特に、第二次大戦時に、軍や国策に非協力的な者を非難する語として用いられた。
[類語]国賊売国奴

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世界大百科事典(旧版)内の非国民の言及

【愛国心】より

…たとえばナチズムは〈血と土〉の神話的象徴によって広範かつ熱狂的な大衆の愛国心を調達した。日本においても愛国心は自由と民主主義の側面を切りつめられ,愛国は忠君に移し替えられて国内の異端(〈非国民〉)排除と侵略戦争へと動員された。他方,侵略された国,植民地化された国,外国に支配された国が解放と独立の際,原動力とするものもやはり愛国心,ただし内発的愛郷心としての愛国心である。…

【国粋主義】より

…このことは必ずしもその選ぶ手段の過激さを否定することではない。いな,むしろそうであるがために,国粋主義は,〈正道〉から外れたと判断する者を〈反国体〉〈非国民〉として激しく排撃し,危機的な状況のもとではテロや武力行使をすら辞さなかった。
[国粋主義と欧化主義]
 国粋主義は西洋文明に対して東洋文明を対置し,儒教など東洋文明の価値を強調する場合がある。…

※「非国民」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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