非晶質金属(読み)ひしょうしつきんぞく

  • ひしょうしつきんぞく〔ヒシヤウシツ〕
  • 非晶質金属 amorphous metal

百科事典マイペディアの解説

アモルファスamorphous金属とも。原子配列に,長範囲にわたる結晶をもたない金属。通常では,金属の固体は結晶になっているのに対して,非晶質金属では規則正しい原子配列が見られない。液体金属のまま冷却,固化したような状態なので,異方性を示さず,照射損傷も少なく,通常の金属より強靭(きょうじん)性,耐食性にすぐれ,軟磁性材料として良好な特性を示すものがある。液体急冷法,真空蒸着法,電気めっき法などでつくる。1970年ころから本格的な開発が進められ,Cu-Zr,Ni-Nbなどの金属‐金属系,およびFe-B,Fe-Pなどの金属‐非金属系のアモルファス合金が生み出されている。

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世界大百科事典 第2版の解説

原子配列に長範囲秩序のない金属。アモルファス金属金属ガラスともいう。液体や気体状態からガラス転移点以下の温度に超急冷することによってつくられる。熱力学的には非平衡状態にあり,結晶化温度以上に加熱すると原子配列の規則的な結晶状態にもどる。不規則な原子配列をどのように特徴づけるかは学問的に最も興味ある問題である。作製法,急冷速度などによっても構造は変化し,実際のアモルファス構造を記述するには極限的な超急冷に対応する理想アモルファス構造と,それからのずれを表す非晶質度というパラメーターが必要である。

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