靡ぶ(読み)ナブ

デジタル大辞泉 「靡ぶ」の意味・読み・例文・類語

な・ぶ【×靡ぶ】

[動バ下二]なびくようにする。なびかせる。多く、複合語の形で用いられる。
「そらみつ大和の国はおし―・べて我こそれしき―・べて我こそいませ」〈・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「靡ぶ」の意味・読み・例文・類語

な・ぶ【靡】

  1. 〘 他動詞 バ下二段活用 〙 なびかせる。なびくようにする。→おしなぶしきなぶ
    1. [初出の実例]「婦負(めひ)の野のすすき押し奈倍(ナベ)降る雪に宿借る今日しかなしく思ほゆ」(出典万葉集(8C後)一七・四〇一六)

靡ぶの語誌

( 1 )同じ方向に揃うという意味的共通性から見て、「なぶ(並)」と同源と考えられる。
( 2 )上代における仮名書きの確例は、「おしなぶ」「しきなぶ」など、複合動詞連用形に限られる。その点、用法の固定化がうかがえ、同義語「なびく」より古形かという。
( 3 )現代語には、文章語として、複合動詞「おしなぶ」に助詞「て」が付いて副詞化した「おしなべて」が残っている。

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