面明り(読み)ツラアカリ

精選版 日本国語大辞典 「面明り」の意味・読み・例文・類語

つら‐あかり【面明・面灯火】

  1. 〘 名詞 〙 昔の歌舞伎芝居で、夜間役者の顔をよく見せるため、長い柄のついた燭台蝋燭をつけて顔を照らし出したもの。また、そうした演出面火(つらび)面蝋燭(つらろうそく)。さしだし。
    1. [初出の実例]「わが友は仁木の顔に面(ツラ)あかりさしつけながら花道をゆく」(出典:桐の花(1913)〈北原白秋〉銀笛哀慕調・冬)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の面明りの言及

【歌舞伎】より

…2人の後見が前後から差し出して照らす。別名〈面(つら)明り〉。現代でも古風な演出に使う。…

【舞台照明】より


[舞台照明の役割とその歴史]
 舞台照明とは光をもって劇芸術の創造に参加することをいう。劇芸術には,演技者,音楽家,舞踊家など,舞台に出演する人たちのほかに,舞台装置,舞台照明,舞台衣裳,音響効果など,スタッフとよばれるさまざまな仕事がある。作家や画家のような個人芸術家とちがって,ふつうこのようなスタッフはすべて演出家の意図を実現するために協同して仕事をしなければならない。日本の伝統芸能(歌舞伎,能)のように演出家がいない場合は,歴史と経験のなかで練磨された伝承のやり方に従い,個々のスタッフがばらばらに,恣意的な創意を加えるべきではないだろう。…

※「面明り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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