革緒の太刀(読み)カワオノタチ

デジタル大辞泉 「革緒の太刀」の意味・読み・例文・類語

かわお‐の‐たち〔かはを‐〕【革緒の太刀】

太刀の帯に平緒でなく革緒を用いた、兵仗ひょうじょうの太刀。公家野太刀非常の場合や遠行の際に、自衛のために佩用はいようした。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「革緒の太刀」の意味・読み・例文・類語

かわお【革緒】 の=太刀(たち)[=剣(つるぎ)

太刀の帯に革緒を用いた兵仗(ひょうじょう)の太刀。野太刀。褻(け)のときに佩用
増鏡(1368‐76頃)一〇「思ひ思ひの姿にて祿をとる。あるは闕腋に平胡籙(ひらやなぐい)縫腋(もとおし)の袍に革緒の剣など心々なり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の革緒の太刀の言及

【太刀】より

…兵仗は柄を毛抜形にすかしたのが特色で,衛府(えふ)の武官の常用として衛府(よう)の太刀といい,公卿も非常の際の実用としてこれを野太刀(のだち)ともいった。また儀仗用の太刀の緒の平緒(ひらお)に対して,兵仗用は革緒(かわお)を用いるので革緒の太刀ともいった。鎌倉時代になって武士は柄,鞘,金具をすべて黒塗りとした黒漆(こくしつ)の太刀,その足金物だけを銀とした足白(あしじろ)の太刀,柄,鞘にかけて覆輪(ふくりん)をかけた長(なが)覆輪の太刀,兵具(ひようぐ)用の鋂(くさり)を使用した兵具鋂の太刀,薄金(うすがね)をらせんに巻いた蛭巻(ひるまき)の太刀,籐(とう)を巻いた籐巻の太刀などを用いて,衛府の太刀はまったく儀仗化した。…

※「革緒の太刀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android