頻く(読み)シク

デジタル大辞泉 「頻く」の意味・読み・例文・類語

し・く【頻く】

[動カ四]動作が繰り返される。度重なって起こる。
住吉すみのえの岸の浦廻うらみに―・く波のしばしば妹を見むよしもがも」〈・二七三五〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「頻く」の意味・読み・例文・類語

し・く【頻】

  1. 〘 自動詞 カ行四段活用 〙 動作がしばしば繰り返される。たび重なる。しきりに…する。しきる。
  2. ひっきりなしに…する。また、一面に…する。多く補助動詞のように用いる。
    1. [初出の実例]「英遠(あを)の浦に寄する白波いや増しに立ち之伎(シキ)寄せ来(く)東風(あゆ)をいたみかも」(出典万葉集(8C後)一八・四〇九三)
    2. 「しりにけんききてもいとへ世の中は浪のさわぎに風ぞしくめる〈布留今道〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑下・九四六)
  3. 波があとからあとから寄せる。
    1. [初出の実例]「住吉(すみのえ)の岸の浦回(うらみ)に布(しく)(なみ)のしくしく妹を見むよしもがも」(出典:万葉集(8C後)一一・二七三五)
  4. 草木が繁茂する。また、開花する。
    1. [初出の実例]「やすみしし 吾が大君 高照らす 日の皇子 茂(しき)(いま)大殿の上(うへ)に」(出典:万葉集(8C後)三・二六一)

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