風〓湖(読み)ふうれんこ

改訂新版 世界大百科事典 「風〓湖」の意味・わかりやすい解説

風湖 (ふうれんこ)

北海道東部,根室市と別海町にまたがる汽水性の潟湖。面積は52km2,周囲は約58km,最大深度は13m,南と西側は標高40~50mの海岸段丘に囲まれている。北西側よりポンヤウシュベツ川,ヤウシュベツ川,南西側より風蓮川が流入している。湖の北東にはよく発達した砂嘴が延び,中央部と南東端の東梅(とうばい)付近の水路根室湾に通じている。湖岸はキタヨシの繁茂する泥炭湿地であり,その背後に針葉混交林が発達している。また,西岸や砂嘴上にはハマナスユリ群生も見られる。湖岸は湿地が多いため人口が希薄で,砂嘴上に走古丹(はしりこたん),一本木,伏古遠太(ふしことぶと),遠太や,風蓮川の河口付近にヤリムカシの小集落があるにすぎない。湖内と根室湾ではチカ,コマイ,カレイ,マスなどの漁業が営まれる。

 例年10月下旬から11月上旬にかけて,シベリア方面から1万羽をこえるオオハクチョウが飛来する。オオハクチョウは湖の結氷する1月にはさらに南下し,氷の解けはじめる3月下旬に再び飛来し,4月中旬にはシベリアに戻る。295種にのぼる野鳥が観察され,湖の南東端にはタンチョウヅルも生息する。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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