食倒(読み)くらいだおれ

精選版 日本国語大辞典 「食倒」の意味・読み・例文・類語

くらい‐だおれくらひだふれ【食倒】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仕事をしないで遊び暮らす者。また、その結果財産を食いつぶしてしまった者をののしっていう語。くいだおれ。
    1. [初出の実例]「内のくらいたをれが、いひ事をしたによって、もとりました」(出典:狂言記・貰聟(1660))
  3. 泥酔した人。また、たらふく食った人をののしっていう語。
    1. [初出の実例]「酔倒高齁して寝入ける。〈略〉伏したる腹の上に頼光飛乗て、いかにやいかにや喰低(クラヒダヲレ)」(出典浮世草子・沖津白波(1702)一)

くい‐だおれくひだふれ【食倒】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 飲食に贅沢(ぜいたく)して貧困になること。「京の着倒れ、大阪の食い倒れ」
    1. [初出の実例]「分散事は喰倒(クイタフ)れ也 しなてるや片岡山に影かくす」(出典:俳諧・西鶴大矢数(1681)第二一)
    2. 「世界各国の諺に仏蘭西の着倒れ、英吉利の食(クヒ)だふれと」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉初)
  3. 働かないで遊び暮らすこと。食いつぶし。徒食

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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