デジタル大辞泉
「飲食」の意味・読み・例文・類語
おん‐じき【▽飲食】
飲むことと食べること。飲み物と食べ物。いんしょく。
「下物は極楽の―乃至は北鬱単越の香廚より掠め来らせましたる」〈露伴・新浦島〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
いん‐しい【飲食】
※
読本・
唐錦(1780)三「娘は
明暮、唯涙にふし沈みて飲食
(インシイ)を廃し」
[語誌](1)インシイはインシの転訛形。「飲食」は、古くから
呉音でオンジキと読まれたが、中世頃から、ほかに
漢音のインショク・インシ・インシイの語形も見られるようになる。
(2)
室町末頃のキリシタン文献では、主としてオンジキを掲げるものが多く、この語形が広く行なわれていたことをうかがわせるが、「落葉集」にヲンジキのほかにインシイが見え、他のキリシタン文献にもこの語形が散見されるところから、このころにはインシイとオンジキが併用されたかと思われる。
(3)一三〇六年頃成立した「
聚分韻略」では、インシが飲食する物、インショクが飲食することだと説いている。しかし、室町から
近世にかけて必ずしもこの
区別がなされたとは言い難い。
おん‐じき【飲食】
〘名〙 (「
おん」は「飲」の、「じき」は「食」の呉音) 飲みものと食べ物。
食物。また、飲むことと食べること。いんしょく。いんしい。
※続日本紀‐宝亀三年(772)四月丁巳「衣服飲食一擬二供御一」
※
今昔(1120頃か)九「此の
客人(まらふと)等、不飲食
(おんじきせ)ずして」
いん‐しょく【飲食】
〘名〙 飲み物と食べ物。また、飲むことと食べること。飲み食い。おんじき。いんじき。いんしい。いんし。
※
歌謡・
山家鳥虫歌(1772)上・
摂津「
人食に尽きぬれば此石に向ひ礼をなせばいんしょく悉く出ず」 〔易経‐乾卦〕
のみ‐く・う ‥くふ【飲食】
〘他ハ四〙
① 飲んだり食べたりする。飲みかつ食う。のみくらう。
※
土左(935頃)承平四年一二月二八日「さけ、よきものどももてきて、ふねにいれたり。ゆくゆくのみくふ」
② 食物などをかまないで飲みこむ(日葡辞書(1603‐04))。
いん‐し【飲食】
※全九集(1566頃)一「疾を防ぐとは、飲食(インシ)を節し温涼にかなひ」
[語誌]→「いんしい(飲食)」の語誌
のみ‐くい ‥くひ【飲食】
〘名〙 飲むことと食うこと。飲んだり食ったりすること。いんしょく。のみくらい。
※談義本・教訓雑長持(1752)三「せめて先々で、呑喰(ノミクイ)でもする事か」
のみ‐くら・う ‥くらふ【飲食】
〘他ハ四〙
① 飲んだり食ったりする。飲食する。のみくう。〔書言字考節用集(1717)〕
② 酒をしたたか飲む。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「飲食」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報