食後の唄(読み)ショクゴノウタ

デジタル大辞泉 「食後の唄」の意味・読み・例文・類語

しょくごのうた【食後の唄】

木下杢太郎詩集。大正8年(1919)刊。初期の詩作品を集めたもの。巻頭に、北原白秋による杢太郎論を収める。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「食後の唄」の意味・わかりやすい解説

食後の唄
しょくごのうた

木下杢太郎(もくたろう)の詩集。1919年(大正8)12月、アララギ発行所刊。『スバル』『屋上庭園』『三田文学』『朱欒(ざんぼあ)』などに発表した杢太郎の初期の詩を集めたもの。北原白秋の詩集『東京景物詩及其他(およびそのた)』、吉井勇(いさむ)の歌集『酒(さか)ほがひ』などとともに耽美(たんび)派の代表的な著書。エキゾチシズムと都会情調にあふれた詩が多く、「紺の背広の初燕(はつつばめ)…まづはいよいよ夏の曲、…街は五月に入りにけり」ということばをちりばめた「街頭初夏」のような詩などが有名。巻頭に杢太郎自身の自伝的回想、白秋による杢太郎論が収められている。本の形も小型判で天金、本文は赤黒二色刷りで、杢太郎の挿絵も挿入されている。

紅野敏郎

『『木下杢太郎全集1』(1981・岩波書店)』

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