木下杢太郎(もくたろう)の詩集。1919年(大正8)12月、アララギ発行所刊。『スバル』『屋上庭園』『三田文学』『朱欒(ざんぼあ)』などに発表した杢太郎の初期の詩を集めたもの。北原白秋の詩集『東京景物詩及其他(およびそのた)』、吉井勇(いさむ)の歌集『酒(さか)ほがひ』などとともに耽美(たんび)派の代表的な著書。エキゾチシズムと都会情調にあふれた詩が多く、「紺の背広の初燕(はつつばめ)…まづはいよいよ夏の曲、…街は五月に入りにけり」ということばをちりばめた「街頭初夏」のような詩などが有名。巻頭に杢太郎自身の自伝的回想、白秋による杢太郎論が収められている。本の形も小型判で天金、本文は赤黒二色刷りで、杢太郎の挿絵も挿入されている。
[紅野敏郎]
『『木下杢太郎全集1』(1981・岩波書店)』
生命維持活動に必須なエネルギーの獲得や,成長に必要な有機材料を合成するために生体内で起るすべての生化学反応の総称。複雑な分子を単純な分子へ分解してゆく過程でエネルギーを獲得する分解代謝または異化 (カ...