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背広 セビロ

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デジタル大辞泉の解説

せびろ【背広】

折り襟になっている、男性の平常着。本来は、上着・チョッキズボン三つぞろいからなる。シングルダブルとがある。サックコートスーツ
[補説]語源未詳で、「背広」は当て字。フロックコートなどと違って、背幅が広いことからとも、civil clothes(市民服の意)またはSavile Rowロンドンの洋服屋街の名)からなどともいわれている。

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百科事典マイペディアの解説

背広【せびろ】

男子の平常用スーツのこと。ラウンジ・スーツ,サック・コートとも。1860年代のフロックコートに代わって1870年代から普及したもので,上着とズボン,あるいはそれにベストを加えた三つ揃いが普通。

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世界大百科事典 第2版の解説

せびろ【背広】

広義には婦人・子ども服を含めた背広型の上着一般を指すが,ふつう〈せびろ〉という場合には男子用の背広型上着と共地のズボンを組み合わせた上下揃い(ツーピース・スーツ)か,これにベストを加えた三つ揃い(スリーピース・スーツ)を意味する。この上下揃い以外にも,スポーツジャケットブレザーなどの単独の背広型上着も数多く見られ,スーツの上着が組み上(うえ)(スーツ・ジャケット)と呼ばれるのに対して,この種の上着は変り上着(オッド・ジャケットodd jacket)という名称で区別されている。

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大辞林 第三版の解説

セビロ【背広】

〔「背広」は当て字〕
男子が平服として用いる洋服。共布で作った上着とズボンが一組となったもの(さらに共布のチョッキを加えたものは「三つ揃い」という)で、前ボタンが一列のシングルと、二列のダブルの別がある。スーツ。 〔語源については (1) 英語の civil clothes(市民服)から、 (2) これを売り出したロンドンの高級洋服店街の Savile Row から、 (3) 背幅が広かったから、など諸説ある〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

背広
せびろ

背広服の略で、現代男性の通常洋服のこと。上着(ジャケットまたはコート)、チョッキ、ズボンのスリーピース・スーツ(三つぞろい)が本来であるが、チョッキは略されることもある。上下そろいの生地(きじ)でできたものはスーツsuit、つまり背広上下といわれ、そうでないものは一般にジャケットとスラックス(またはパンツ)という。[石山 彰]

語源

背広の語源説には三つある。(1)は明治初期の日本の仕立職人の用語に基づくもので、字義どおり「上着の背幅が広い」意から出たとする説。すなわち、それまでの男性の市民服であったいわゆるフロックコートやモーニングコートは、ウエストで切り替えられ、かつ背側のパネルは4枚はぎで、しかもウエストで狭く裁断してあった。これに対して背広の背側は2枚はぎで、背幅も広くゆったりしているのが特徴であった。(2)はロンドンの有名な仕立屋街の名称にちなむセィビル・ロー・スーツSavile Row suitの訛(なま)った語とする説。(3)は市民服の意の英語シビル・クローズズcivil clothesの訛った語とする説である。今日、識者間では(1)の説がもっとも有力視されている。[石山 彰]

歴史

近代ヨーロッパに背広のような腰丈のジャケットが出現するのは、1789年、フランス革命当時のサン・キュロットが最初であり、それは長ズボンの登場と機を一にしていた。それまでの男子服の上着は、17世紀なかばのジュストコール(胴部のぴったりした長上着)以来、膝丈(ひざたけ)のコート型が一般であった。サン・キュロットとは元来、半ズボンをはかない人々の意で、過激共和党員の別名であるのは周知である。
 しかし、彼らの短い上着が、その後ただちに一般市民服として定着したわけではなく、そうなるまでには、あと半世紀以上も待たねばならなかった。すなわち、ラウンジ・ジャケットlounge jacketがそれで、19世紀なかばのイギリスに現れたくつろぎ着の一種であった。上下共布でできたものはラウンジ・スーツとよび、アメリカではもっぱらサックコートsack coatとよばれた。ウエストを絞らず、袋のようにみえたからである。ラウンジ・ジャケットはヒップを覆う程度の長さで、前裾(まえすそ)がモーニングコートのように丸く裁たれ、折返し襟とラペル(カラーの下側の折り返し部分)がついている。もちろん、当初は略装かスポーツ用のいずれかであったが、1890年代になると正装としても市民権を得るようになる。したがって背広服の定型化も、およそこのころとみてよい。
 20世紀までには背広は完全に標準化される一方、着方についてもはっきりした約束が生まれた。その後、形に関しては裁ち方、上着丈、肩幅と形、ラペルの形、ズボンの太さ、ボタンの数などがその流行変化の主要素となった。20世紀の初頭は幅広い怒り肩が流行したが、1910年代になると自然な肩線になり、30年代はまっすぐな肩線の軍服調になる。また19世紀末の細身のズボンは、20世紀初めの10年間にゆとりあるものに変わり、20年代には裾幅30センチメートルにも及ぶオックスフォード・バッグズ(いわゆるラッパズボン)が流行した。その後、ズボンは先細りになり、30年代にはウエストでつまみひだを入れるまでになった。その間にもさまざまな背広型のスポーツ服が現れた。ノーフォーク・ジャケットNorfolk jacket、ニッカーボッカーズ、プラス・フォアズplus fours(膝下(ひざした)4インチの長いニッカーボッカーズ)などもその一例である。
 第二次世界大戦後の1940年代から50年代にかけては、細身の丸い肩が中心になる一方、アメリカではアイビー・リーグ・ルックの影響を受けた、自然肩の直線的な上着に細いズボンが流行した。ウエストをシェープ(ぴったり)して裾広がりの長ズボン(パンタロン型)をはくようになるのは、70年代も後半になってからである。[石山 彰]

日本

1867年(慶応3)片山淳之助(じゅんのすけ)著『西洋衣食住』には「割羽織ハ身分アル人ノ常服ナリ丸羽織ハ一体職人ナドノ衣服ナレトモ高貴ノ人ニテモ自宅ニ居ルトキカ又ハ外ヘ出ルトキニモ着ルコトアリ」としてフロックを割羽織、ビジネスコートつまり背広を丸羽織と記している。87年(明治20)の大家松之助編『男女西洋服裁縫独案内』では、背広またはセヒロと記され、詰め襟のそれはジャケツ、フロックは上衣(マンテル)と記している。明治中期になると官吏や学生の洋服着用が奨励され、同末期から大正初期になると背広は急速に普及していった。[石山 彰]

種類

今日の背広の型は大別3種になり、一部はさらに細分される。
(1)イギリス調 重厚なムードで落ち着きがあるところから中年以上に向くとされている。
(2)コンチネンタル調 地域によって差があるがフランスがその中心。長くほっそりしたエレガントな外形が特徴。
(3)アメリカ調 a.トラディショナル型(伝統型)=自然な肩線のじみで落ち着いた型で、ビジネス・スーツ向き。アイビー・スタイルはこれを若向きにしたもの。b.コンテンポラリー型(現代型)=やや個性的でショー・ビジネス向き。c.クラシック型=オーソドックスでじみ。日本の既製服の原型となったもの。[石山 彰]
『遠藤武・石山彰著『日本洋装百年史』(1962・文化服装学院出版局) ▽青木英夫・大橋信一郎著『紳士服の歴史』(1972・雄山閣出版) ▽R・T・ウィルコックス著、石山彰訳『モードの歴史』(1979・文化出版局)』

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世界大百科事典内の背広の言及

【ジャケット】より

…起源は中世のイギリスで広く用いられた,皮革と金属を要所につけて防護性を強めたウエスト丈の上着のジャックjack(jaque),あるいは16世紀に着用された,袖なしで肩におおい(ウィングズwings)がつくジャーキンjerkinとされている。しかし今日的な意味と形態でのジャケットが成立するのは19世紀で,イギリスでラウンジ・ジャケットlounge jacket,アメリカでサック・コートsack coatと呼ばれる背広型の上着が完成してからのことである。20世紀に入ると,成立当時の古典的な形態をとどめたものはモーニングコートのように礼服として定着し,より簡略になったものはオッド・ジャケットodd jacket(替え上着),スポーツ・ジャケットなど気軽な衣服として発達した。…

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