食散らす(読み)クイチラス

デジタル大辞泉 「食散らす」の意味・読み・例文・類語

くい‐ちら・す〔くひ‐〕【食(い)散らす】

[動サ五(四)]
食べ物を食べこぼして散らかす。「子供が―・した御飯つぶを拾う」
あれこれと食べ物に少しずつはしをつける。「おかずを―・す」
いろいろなことに少しずつ手を出す。「―・すだけで、一つもものにならない」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「食散らす」の意味・読み・例文・類語

くい‐ちら・すくひ‥【食散】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 食べ物をこぼしたり散らかしたりして食べたあとをきたなくする。
    1. [初出の実例]「委く見は鯉のいろこ骨を飡ちらしたり」(出典:打聞集(1134頃)三井寺事)
  3. あれこれと箸をつけて、少しずつ食べる。
    1. [初出の実例]「供御を出だされて食はせられけり。さて食ちらしたる衝重を、御簾の中へさし入れて」(出典:徒然草(1331頃)四八)
  4. あれこれと、いろいろな事に少しずつ手を出す。あちこちの異性に手を出す。
    1. [初出の実例]「散三女を喰散らした此方(こっち)殿様のやうなには」(出典破垣(1901)〈内田魯庵〉一)
  5. さんざん、利用する。
    1. [初出の実例]「うつけ客のいやみあるは喰いちらして売り〈略〉ひどいめにあわせ」(出典:洒落本・浪花色八卦(1757)桔梗卦)

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