飯田町三丁目(読み)いいだまちさんちようめ

日本歴史地名大系 「飯田町三丁目」の解説

飯田町三丁目
いいだまちさんちようめ

[現在地名]千代田区飯田橋いいだばし一丁目・富士見ふじみ一丁目

明治五年(一八七二)に成立。東は飯田町四丁目、西は富士見町六丁目、南は冬青木もちのき(黐木坂)を挟んで飯田町二丁目・富士見町二丁目、北は飯田町五―六丁目。中央を南北二合半にごうはん坂が通る。江戸時代初期からの武家地。正保期(一六四四―四八)には一面武家屋敷で(正保江戸絵図)、以後屋敷替えはあったが大きな変化はなかった。嘉永二年(一八四九)には遠江相良藩田沼家の上屋敷や交代寄合松平中務の屋敷があった。幕府の文書や記録を集め、「誠斎雑記」や「蠧余一得」を残した幕臣向山誠斎(源太夫)の屋敷もこの一角にあった(同年改正近吾堂版切絵図など)。その後田沼家の上屋敷は江戸市中取締を命じられた出羽鶴岡藩酒井家の中屋敷となり、ここに鶴岡藩の指揮下に置かれた新徴組の屯所があった(文久三年「江戸大絵図」三井文庫蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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