飲料水水質ガイドライン(読み)いんりょうすいすいしつガイドライン

百科事典マイペディアの解説

飲料水水質ガイドライン【いんりょうすいすいしつガイドライン】

世界保健機関(WHO)による飲料水の安全基準目標に関する基礎資料。WHOは,この資料を参考として加盟各国が実情に応じて国内の水質基準を制定するよう勧告している。現在は,2004年に公表された第3版。このガイドラインが一般に注目されたのは,2011年3月に起こった福島第一原発事故による,東京をはじめ各地の水道水の放射性物質による水質汚染問題である。3月22日,東京の金町浄水場の水道水から1kg当たりの放射性ヨウ素210ベクレルを検出,厚労省の定める乳児の摂取を控える指標100ベクレルをはるかに上回ったことから,東京都は23日,金町浄水場から給水している東京23区と多摩地域5市を対象に乳幼児の摂取を控える呼びかけを行い,この動きは各地に拡がった。WHOのガイドラインでは,厚労省の指標をはるかに下回る10ベクレルを指標としているため,厚労省の指標設定自体に批判や疑問が数多く提起された。しかしWHOの指標も,原発事故などの非常事態における放射性汚染を想定しておらず,国際的な安全指標の設定と国内的基準の検証が改めて求められた。厚労省は2012年4月から,飲料水の放射性セシウムについて従来の200ベクレルから10ベクレルという厳しい新基準の設定を行っている。
→関連項目飲料水水質基準

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