戦争,事変,革命,内乱およびそれらに伴う経済的混乱,または大規模な災害などにより通常の社会秩序が重大な危機に直面した状態をいう。この状態の下では公式の情報体系(マスコミなど)が機能不全を起こすため,人々は周囲の環境や状況を的確に把握できず,社会的パニックに陥りやすくなる。そして不安な社会状況から逃れようとする個々人の行為の累積の結果,しばしば流言蜚語(りゆうげんひご)が発生する。この状況が高進すると自己の不満をスケープゴートに転嫁させたり,孤独から逃避するために外在的な権威への献身によってアイデンティティを確保しようとする傾向が生じやすくなる。通常の国家においては,こうした事態を予防するため,非常の場合,緊急命令,財政上の緊急処分,戒厳令等の発動による言論の統制,基本的人権の停止等の例外的な措置が合法化されている。
執筆者:御厨 貴
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
→緊急事態
「国家非常事態」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…一般的には,戦争,内乱,天災地変等の事態が,通常の統治体制ではそれに対処できないと考えられる場合をさし,非常事態ともいう。このような事態に対処するための特別の権力を,国家緊急権と呼ぶ。…
※「非常事態」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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