養物(読み)ようもつ

精選版 日本国語大辞典 「養物」の意味・読み・例文・類語

よう‐もつヤウ‥【養物】

  1. 〘 名詞 〙 令制で、労役負担公平をはかるための物。上京して労役に服する仕丁(じちょう)衛士(えじ)の家の雑徭賦課しないで、これを資養の物にあて、あるいは副丁(ふくてい)を定めてその雑徭に相当する物を仕丁・衛士に与える。
    1. [初出の実例]「而本国司称詔復一レ徭。養物之数。三分減一」(出典日本三代実録‐貞観七年(865)一二月一七日)

よう‐ぶつヤウ‥【養物】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物を養い育てること。〔列子仲尼
  3. ようもつ(養物)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の養物の言及

【仕丁】より

…服務の期限は,722年(養老6)の格(きやく)で3年と定められ,養老令にも規定されたが,現実には長期にわたり留役された。718年には養物の制が定められ,仕丁を出した房戸の雑徭を免除し,かわりに仕丁を資養するための養物を送らせた。9世紀には仕丁の資養のための副丁(養丁)の制も行われたが,一方で日功銭を代納することによって実役を免れることが一般化し,制度としては空洞化していった。…

※「養物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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