日本三代実録(読み)にほんさんだいじつろく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

日本三代実録
にほんさんだいじつろく

清和,陽成,光孝天皇三代の編年体正史。略して『三代実録』ともいう。六国史の一つ。 50巻。宇多天皇の勅令によって寛平4 (892) 年編纂に着手,延喜1 (901) 年完成。源能有藤原時平菅原道真,大蔵善行,三統理平 (みむねのまさひら) らの編。天安2 (858) ~仁和3 (887) 年までを扱う。六国史のうち最も整っている。従来の正史では省略されていた上表文や恒例の年中行事も収め,伝記を掲げる人物の対象範囲を広げている。現在伝わっている本文は,『類聚国史』『日本紀略』『扶桑略記』に引用されている本文に比べると,省略や脱落が少くない。『国史大系』所収。

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世界大百科事典 第2版の解説

にほんさんだいじつろく【日本三代実録】

日本古代の官撰の史書。略して《三代実録》ともいう。六国史の第6。50巻。《日本文徳天皇実録》のあとをうけ,清和,陽成,光孝3天皇の代,858年(天安2)から887年(仁和3)まで30年間のことを記す。宇多天皇の命により編纂され,醍醐天皇の901年(延喜1),藤原時平らの手で完成された。六国史中もっとも詳細でかつ史書としての体裁が整備されているが,現存する写本には脱文や後人伝写のさいの抄略が多い。《新訂増補国史大系》所収。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

日本三代実録
にほんさんだいじつろく

50巻。六国史(りっこくし)の一つ。『文徳(もんとく)実録』に続く勅撰(ちょくせん)の歴史書。清和(せいわ)(在位858~876)、陽成(ようぜい)(在位876~884)、光孝(こうこう)(在位884~887)三天皇の時代30年を収めた編年体の実録。宇多(うだ)天皇(在位887~897)の勅を奉じて、藤原時平(ときひら)、菅原道真(すがわらのみちざね)、大蔵善行らが編纂(へんさん)を開始したが、同天皇の譲位で一時停滞した。しかし、即位した醍醐(だいご)天皇(在位897~930)の勅で復活し、901年(延喜1)に完成した。六国史のなかでもっとも分量が多く、記述が詳細になり、記載法が整備され、正確性を増し、政治・法制に関する記事が多いのが本書の特色といえよう。現存の本書は完本ではなく、50巻のうち、一巻全部を欠くところはないが、巻によりかなりの脱漏がある。しかし、『国史大系』本は、これを『類従国史』『日本紀略』『扶桑(ふそう)略記』などによって補っている。[林 幹彌]
『坂本太郎著『六国史』(1970・吉川弘文館)』

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