首相指名(読み)しゅしょうしめい

知恵蔵 「首相指名」の解説

首相指名

首相(内閣総理大臣)は国会議員の中から国会の議決で指名する(憲法67条)。衆参両院が異なった人を指名した場合、両院協議会でも意見が一致しない時は、衆院の議決を国会の議決とする。首相は文民でなければならない。投票は本会議での記名投票で行われる。投票の過半数を得た人が指名される。過半数が得られない場合は、上位2人による決選投票で多数を得た人が指名される。得票が同数の場合はくじで定める。衆参両院の意思が違ったのは、1948年、第2回国会で衆院が芦田均(民主)、参院吉田茂(自由)、89年、第115国会で衆院が海部俊樹(自民)、参院が土井たか子(社会)、98年、第143国会で衆院が小渕恵三(自民)、参院が菅直人(民主)、の3例がある。いずれも衆院の議決通りの指名になっている。2006年秋の第165臨時国会では、安倍晋三自民党総裁が首相に指名された。

(星浩 朝日新聞記者 / 2007年)

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