香止郷(読み)かがとごう

日本歴史地名大系 「香止郷」の解説

香止郷
かがとごう

和名抄」東急本に「加之止」、刊本に「加々止」の訓がある。高山寺本は郷名を欠く。もと邑久おく郡に属したが、「続日本紀」天平神護二年(七六六)五月二三日条によると、他郡の五郷とともに香登かがと郷を和気郡に隷せしめたとある。邑久郡所属期の当郷については、平城宮跡出土の木簡(表)備前国邑久郡香止里」「(裏)人夫矢田末呂米五斗八升」がある。郷域については「大日本地名辞書」「岡山県通史」ともに現備前市西辺の香登・畠田はたけだ新庄しんじようから東方の伊部いんべ東片上ひがしかたかみ・西片上を含む地域と推定している。推定郷域内には約五〇メートルの円墳と推定される新庄天神山しんじようてんじんやま古墳、径約五〇―六〇メートルの造出しつき円墳で、三〇面の鏡などを副葬していた鶴山丸山つるやままるやま古墳、天平期(七二九―七四九)に創建されたと推定される大内おおうち廃寺・香登西廃寺などがある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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