馬歯山(読み)ばしざん

日本歴史地名大系 「馬歯山」の解説

馬歯山
ばしざん

琉球王国時代の慶良間きらま島の別称。「中山世譜」首巻に東馬歯(前慶良間)・西馬歯(西慶良間)とあり、それぞれ渡嘉敷島を主島とする諸島座間味ざまみ島・阿嘉あか島・慶留間ぎるま島の島々を称したのであろう。「使琉球雑録」に馬歯山は宮古みやーく島と中山の間にあり、「螺殻の聚まる所、其の後山は尤も嶢瘠にして、罪人多く此に流さる」と記される。康熙三二年(一六九三)初めて「姑米馬歯両島」に大和横目職を派遣して、貢船往来を監守させることを定めている(「球陽」尚貞王二五年条)。「中山伝信録」に正西三島として「馬歯二山、中山の正西一百三十里に在り」とあり、うち東馬歯山は大小五島で、牛・馬・粟・布・文貝螺を産するという。一方、西馬歯山は大小四島で、座間味・渡嘉敷などの間切があるというが、これが誤記でなく、両間切が含まれるとすれば慶良間島全体を称することになる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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