デジタル大辞泉 「馬返し」の意味・読み・例文・類語 うま‐がえし〔‐がへし〕【馬返し】 登山道で、道が険しくなり乗ってきた馬を返す所。富士・日光などに地名として残る。駒こま返し。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「馬返し」の意味・わかりやすい解説 馬返しうまがえし 峠路の麓(ふもと)によくみられる地名。富士や日光などのものが代表例としてあげられる。そこまでは牛馬もこられるが、先は道が険しくなって徒歩以外は進めなくなる所をさす。牛馬が折り返す地点となることから生じた名称である。類似の地名としてあげられるのが「軽井沢」で、そこまで馬に積んできた荷物を、人の背にくくり付けて運ぶ=「かるう」ようになる場所であることを示すものである。 なお、「馬返し」の名称は、神社・仏閣などの境内に付されることもある。聖なる場所へは獣類を入れないためで、そこで馬から降りるとされたことに由来する。その地点が俗界と聖界の境目とみなされたわけである。[胡桃沢勘司] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例