駆入・駈入・掛入(読み)かけいり

精選版 日本国語大辞典 「駆入・駈入・掛入」の意味・読み・例文・類語

かけ‐いり【駆入・駈入・掛入】

〘名〙
① 駆けてはいること。駆け込むこと。馬などを駆けさせてはいること。
② はいったばかりであること。未熟。または、そのようなもの。新参者。未熟者。駆出(かけだし)
山伏修行のため、山にはいること。峰入り。
※虎明本狂言・腰祈(室町末‐近世初)「其上大峰へのかけ入には、日数がさだまって、一日おそふてもなりまらせぬ」
④ 江戸時代、妻が夫に離婚されたいために、縁切り寺といわれる尼寺に逃げ込むこと。→駆込寺(かけこみでら)
※禁令考‐前集・第五・巻四一・文化五年(1808)「上州徳川満徳寺寺法之儀に付書付、一、〈略〉依欠入之女離縁之願、為寺役任古例今に至り候」
⑤ (掛入) 江戸時代、庶民訴状を差し出したり、また告訴するために、奉行所、代官役所に訴え出ること。駆け込み。
※禁令考‐前集・第五・巻五〇・寛文四年(1664)一〇月一〇日「新吉原之外、町中に遊女隠置者有之は、両町奉行所并伊奈半左衛門之所え掛入べし」
※歌舞伎・名歌徳三舛玉垣(1801)三立「とど時員手紙をくわへて、三人宜しく、欠入(かけいり)にて此道具をぶん廻す」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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