腰祈(読み)コシイノリ

デジタル大辞泉 「腰祈」の意味・読み・例文・類語

こしいのり【腰祈】

狂言修行を終えたばかりの山伏が、祖父の曲がった腰を直そうと祈るが、伸びすぎたり曲がりすぎたりして祖父にしかられる。

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精選版 日本国語大辞典 「腰祈」の意味・読み・例文・類語

こしいのり【腰祈】

  1. 狂言。各流。修行を終えたばかりの山伏が、祖父の曲がった腰を治してやろうと祈るが、法力が強すぎて仰向けになったりまたかがんだりする。後ろから杖で突っぱりをし、やっとうまくいく。伸びすぎになったままで祖父が怒って追い込む演出もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「腰祈」の意味・わかりやすい解説

腰祈
こしいのり

狂言の曲名。山伏狂言。大峯(おおみね)・葛城(かつらぎ)での修行を終えた出羽(でわ)の羽黒山の山伏が祖父(おおじ)(シテ)を訪ね、その曲がった腰を法力で伸ばして差し上げようと祈祷(きとう)を始める。効果はすぐに現れるが、伸びすぎてあおむくほどになったので、祖父は日月が拝めると喜びながらも少しかがめてくれるように頼む。そこでふたたび祈ると、今度は前にかがみすぎて前に倒れ伏してしまう。困った山伏は、太郎冠者(かじゃ)にちょうどよいときに杖(つえ)を支(か)えと命じて祈るが、また伸びすぎ、怒った祖父に追い込まれる。大蔵流には、杖でささえたときにシャギリという笛の囃子(はやし)になりめでたく終わる演出もある。法力に操られるように上下に激しく動く祖父の演技が見どころ。

[林 和利]

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