駐車禁止取り締まり強化(読み)ちゅうしゃきんしとりしまりきょうか

知恵蔵 「駐車禁止取り締まり強化」の解説

駐車禁止取り締まり強化

道路交通法が改正され、2006年6月から違法駐車の取り締まりが厳しくなった。これまでは警察官が違法駐車を見つけたら、車のタイヤ路面チョークで印をつけて、一定の時間が過ぎたら違反として処理していた。新制度では取り締まりは民間に委託される。都道府県の公安委員会の講習を受けて、試験に合格して資格を取った駐車監視員は全国に1580人おり、駐車時間の長短に関係なく違反を処理する。監視員の活動は各都道府県警本部がホームページなどで公開しているガイドラインに沿っており、定められた路線や地域、時間帯で重点的に取り締まる。旧制度下では違反者の約3割が反則金を払わずに逃げ切っていたため、新制度は運転者が払わなかった場合に、車の持ち主も反則金と同額の「放置違反金」を納めなければならなくなった。応じなければ、運転禁止が命じられたり、車検を受けられなくなったりする。新制度導入直後の警察庁の調査では、東京都内では主要道の渋滞延長が約4割減少し、大阪市中心部では渋滞時間が5割以上減少。新制度を受け、コンビニエンスストアや宅配業界は、運転手を2人にしたり、有料駐車場との契約を拡大するなど、対策を進めている。

(平栗大地 朝日新聞記者 / 松村北斗 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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